新NISA元年の2024年も残すところひと月半。毎年この時期になるとあっという間の一年だったな…となりますね。
今年は年間通して株高だっため、日に日に含み益が増えていく体験を通して「投資って楽しい!」と感じている方が多いのではないかと思います。
ですが、当然ですが投資はそんなに甘いものではありません。
今回は、いずれ必ず来る大暴落について、どのような心構えで、どのように対処するのが良いのかお伝えしようと思います。
今の株価の上げ方に慣れると危険!調整局面は必ずやってきます。
下記の画像はS&P500の月足チャートです。月足なので、ローソク足1本が1か月間の値動きを現しています。
2024年は青色の縦線から始まりました。11月16日現在まで、陰線は僅か2本しかありません。
8月には大きな暴落がありましたが、結局値を戻して上昇を続けています。
一本調子で上昇し続けているのがよくわかりますね。
今年から新NISAで積み立て投資を始めた方は、日に日に増える含み益で気が大きくなり、「もっと資金を投入したい!!!」「米国株最高!!!」という気持ちが抑えきれなくなっている頃ではないでしょうか?
ですが、ここは一旦冷静になる必要があります。
株価というものは、株を買う人が売る人よりも多いから上昇するわけです。
ということは、長期間上昇を続けると、いつかは新たな買い手がいなくなります。
買い手に乏しい状況で、機関投資などの売り手の一部が、何らかの経済指標やニュースをきっかけに大量の売り注文を入れますと、暴落に釣られて我も我もと一斉に売りが殺到、なんちゃらショックが起きるわけですね。
高く伸びた分、大きく落ち、大きくリバウンドする。株価の動き方は、ボールを投げた時の動きに似ています。
欲望、恐怖、楽観、悲観…群集心理でいいますと、今は楽観から欲望が増している状況とでもいいましょうか。
では、いつ暴落が起きるのか?
それは誰にもわかりません。「〇〇頃に必ず暴落が来ます!」と断言している人がいるとするなら、嘘つきです。
未来のことは誰にもわからない=断言のしようがないからです。
ですが、「そろそろ危ないな…」程度のレベルならば、テクニカル分析で推測することは可能です。
(あくまで推察、当たらなくて当然!くらいに思っておく必要がありますが)
米国株がそろそろ調整局面入りしそうだと感じる根拠3選
では、FXで培った簡単なテクニカル分析を通して米国株がそろそろ調整局面入りしそうな理由をお伝えします。
根拠1 波の長さがほぼ等倍で、そろそろ上昇するエネルギーが尽きそうだから
チャートは、上昇と下降を繰り返しますが、同じ値幅になることが多いです。よくN値などと呼ばれる値幅の測り方がありますが、チャートというものは、見た目がキレイな形を作りにいくことが多いです。群集心理の影響とでもいいましょうか。
丁度キレイなNの形にチャートがなったところで、「そろそろ天井かもしれないから売っておこう。」とみんなが判断するから、Nを作ったあとにするする下げたりするわけです。
(N値の他にもNT値やらE値やら色々ありますが、細かいのでとりあえずN値で説明することにします)
そうした視点でS&P500のチャートを見るとどうでしょう。
そろそろ力尽きそうな気がしませんか?
根拠2 フィボナッチ的にもそろそろ反転が近い
フィボナッチとは、ざっくり言うと「黄金比をベースにして、人間が丁度良いと思える美しい押し戻りの水準を探ろう!」というものです。
いくつか数値がありますが、その中でも50%(半値戻し)と61.8%が意識される水準としてよく使われます。
S&P500のチャートにフィボナッチをあててみると…
もうひと伸びで161.8に届きますね。何らかのきっかけで最後の急騰をして天井を付けて暴落!
なんてシナリオをもあり得そうな。
フィボナッチは当てる位置によって解釈が変わるのであくまでも目安ですが。
根拠3 週足で陰線が増えてきた
下記の画像はS&P500の週足チャートです。週足ですので、ローソク足1本が1週間の値動きを現しています。
月足から1つ下の時間軸へシフトし、細かく分析しようというわけです。
前回、上昇から下降に転じた場面では、天井圏で週足の陰線が目立つ兆候がありました。
買い手よりも売り手の勢力が強くなってきて、下降へ転じるわけですから、当然のことですが。
今週は大き目の陰線で終わりましたが、これで直近3本目の陰線です。根拠1(波の長さがほぼ等倍)と合わせて考えると、「そろそろ下落か?」という気がしてきませんか?
とはいえ、あくまでもこれは推測。上がるときはこうした値ごろ感を無視してガンガン上がるものです。
推測にバイアスがかかってしまうと碌なことがありません。
常にニュートラルな気持ちを忘れないようにしましょう。
テクニカル的に天井圏なのはわかった。で、どうすりゃいいのよ?
天井圏だから怖い、一旦積み立てやめて様子見するべきか?
これは得策ではありません。天井だったかどうかは、後にならないとわからないからです。
これまで通り淡々と一定のペースで積み立てをするべきです。
上がってもOK、下がってもOK、
投資では、未来がわからないことを前提に、どうなっても大丈夫な戦略と取ることがとても大切です。
予測に基づいて一方のシナリオに肩入れすると、予測が外れた際に深手を負います。
深手を負わないことことが肝要なのです。
予測が当たり暴落がきた場合の対処法
予測通りに下降へ転じて暴落がした場合は、スポット買いのチャンスと解釈します。
予測通りの下落なので、世間でなんちゃらショックと騒がれようが、恐怖で狼狽することはないでしょう。
コツは一気に買わないことです。チャートの節目節目を意識し、下げる都度少しずつスポット買いを入れるイメージです。
下記の画像では、参考として5つの節目に水平線を入れました。節目まで下げる都度、スポット買いを入れるのです。下に行けば行くほどスポット買いをする量を増やしていくのがコツです。
こうすることで、リバウンドして反転するとすぐに含み益へ戻すことができます。
暴落して戻らない場合はどうするの?
S&P500の場合、過去のどの期間を切り取っても、20年間以上の保有であれば損益がプラスだったというデータがあります。もちろん、これが未来にも当てはまるとはいえませんが、20年間以上保有する前提であるならば、今後もプラスになっている確率が高いと思います。(あくまで主観ですが)
積み立て投資は、基本的に損切りしないものです。
含み損への恐怖心で損切りしたり、積み立てを止めてしまうから失敗するのです。
ざっくりと未来チャートを妄想して、淡々と積み立てを継続し、節目節目で計画的なスポット買いを入れる。
やるべきことはこれだけです。シンプルに考えることがとても大切です。
まとめ
繰り返しますが、大暴落はいつか必ずやってきます。
大地震のように、誰も予期していないタイミングで、不意打ちのようにやってくるものです。
メディアがなんちゃらショックで騒ぎ立てたタイミングで喜んで買い増しすることができること、
暴落を待ち構えることができるようになれば、一人前の投資家といえます。
目先の上昇相場に惑わされることなく冷静な判断をすることができるように、
事前に予測を立て、心の準備をしておく。
どんなシナリオになっても大丈夫な行動を取る。
下げ相場未経験の方にとって、少しでもお役に立てば幸いです。
ご精読ありがとうございました。
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